あなたの「こころ」を、深いところで支えるものは何でしょう?
2011年のお盆は、今までとは大きく違うものとなります。
今までと同じ生き方をしていて、亡くなった人に応えることはできるのでしょうか。
今までの経済や社会の仕組みを続けていて、遺された私たちは幸せになれるのでしょうか。
わたしたちの「死生観」「こころのあり方」が大きく変わりつつある今、日本人と仏教の関係を基礎から学び、ゆっくりと考えるための電子書籍。
《人は供養などの儀式を経て、初めて日常性を取り戻すことができる。
今回の震災でも、身元の雌認できない遺体を自衛隊が埋葬する光景が見られた。
棺の両脇に一列に並んだ彼らが心を込めて敬礼し見送る行為を、われわれは敬意の念とともに見守る。
心のどこかでそうした儀式性を求めているのだ。
大震災後の直後、私はテレビに釘づけとなり、新聞の活字を追い、原発による放射能のデータに見入っていた。
情報に押し流されているような感じが続き、言葉が自らの足元を確かめる杖だとすれば、その杖を失っていた。》
(本書収録・玄侑宗久「日本人の死生観」より)
●日本人と仏教を考える豪華執筆陣。
玄侑宗久、瀬戸内寂聴、島田裕巳、茂木健一郎
保坂俊司、中村 元、カール・ベッカー
塚本幸一、紀野一義、時実新子ほか
●目次
[東日本大震災に想う]
仏教が入ってきても、その本質は変わらなかった
《日本人の死生観》玄侑宗久
人間は1人で黙って悲しさや苦しさに耐えることが一番辛いのです
《私たちにできること》瀬戸内寂聴
供養を重ね、死を受け入れてゆかねば、いずれ心に穴が空く
《ルポ「葬儀支援」——山形・地福寺》山川 徹
社会は依存し合いつながり合っていることを改めて意識した人たちへ
《「都会的無縁社会」の明るい走り方》島田裕巳
私は学生によくこう言います、「根拠のない自信を抱け」と。
《日本人は「ピンチに強い脳」を持っている》茂木健一郎
[基礎講座]
伝来から1500年、「変わったこと、変わらなかったこと」
《「日本仏教史」ガイダンス》保坂俊司
「人間」ブッダ80年の生涯が残した真理のメッセージ
《若さの驕り、健康の驕り、生命の驕り》中村 元
「輪廻転生」思想こそが21世紀の人類を救う
《キリスト教と仏教》カール・ベッカー
[日々是仏教]
55名の隊のうち52名が戦死。復員船の中で思い至ったこと
《「生かされている」の思いとともに50年》塚本幸一
流浪の俳人と『般若心経』
《種田山頭火 母の位牌とともに行乞流転の旅へ》 紀野一義
小学校でのいじめ、夫の暴力、乞食同然の暮らし……
《地獄こそ安住の地》時実新子
最終ページに書かれた「南無妙法蓮華経」
《宮沢賢治「雨ニモマケズ」は請願である》保坂俊司
■この電子書籍は、プレジデント社刊「プレジデント別冊『仏教のチカラ』」の電子版です。